小学生の頃、楽しい夢を見ることもあれば、悲しい夢を見ることもありました。いずれにしても、夢の印象は鮮烈でした。夢の中で楽しくショッピングをすると、本当に買ったものだと思い込んでしまい、現実の世界で、夢の中で買ったものを探してしまい、見つからなくて、「あれは夢だったのか」と気づいてがっかりしたりしました。悲しい夢を見ている時には、悲しさのあまり夜中に目が覚めて涙が止まらなくなりました。そして学校に行く間も、夢のことが頭から離れず悲しんで落ち込んでいました。嫌な夢もいろいろ見ました。嫌な夢は引きずりやすいので、困っていました。
ある時、母とスーパーに買い物に行くと、スーパーのなかの小さな書店で、『夢事典』(髙嶋泉妙、日本文芸社、1998年)という本を見つけ、「これだ!」と思って母に買ってもらいました。この本には、本当によく読みました。
こわい夢を見たときには、「ゆうべの夢は南天の木の下の獏に食わせよう」と唱えると良い、と本に書かれていたので、よく唱えていました。それだけのことですが、とても気持ちが安定しました。こわい夢を見ても、この言葉を唱えれば良いのだと知っているのと知らないのとでは、夢に対する気持ちが全然違っていました。また、夢に関する体験談や、夢との付き合い方や、約350項目の夢の例が載っていて、おもしろいなぁと思って読んでいました。この本は、夢分析というよりは、夢占い方向のものでしたが、解説の部分に夢分析についてもすこーし触れられています。
私はミニマリスト傾向で、本も大幅処分を何度か繰り返していますが、この本はずっと捨てずにいて、今も手元にあります。
コメント